無線LAN無断使用は違法


隣人の無線LANのパスワードを解読して使ったことが電波法違反にあたるかが争われ、東京地裁が4月に無罪判決を出したことに絡み、総務省は12日、「同様の事例は電波法違反にあたる」との見解を示した。パスワードの解読のために通信を傍受して悪用することが、電波法が禁じる「無線通信の秘密の窃用(盗んで使うこと)」にあたるという。

 裁判では、パスワードそのものが通信の秘密にあたるかどうかが争われた。判決は、パスワードは通信されていないため通信の秘密にあたらないと判断され、電波法上は無罪とした。

 総務省によると、今回解読されたのは「WEP」という古い方式の暗号で、解読する機器が出回っているという。利用者のパソコンなどが無線LAN機器に送っている通信を傍受し、それを複製して無線LAN機器に送ることでデータを入手、これを分析してパスワードを解読する仕組みだ。

 この行為は電波法109条第1項に違反し、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるという。総務省電波政策課は「被害を防ぐには最新の無線LAN機器に買い替えてほしい」としている。

◆「パスワード解読は無罪」判決
 隣人の無線LANに無断接続して送ったフィッシングメールで、他人の預貯金口座から現金を不正送金したとされる事件で、東京地裁が電波法違反(無線通信の秘密盗用)罪について被告の男を無罪とした判決に対し、東京地検が控訴を見送ることがわかった。
無線LANのパスワードの無断使用が同法違反に当たるかが初めて争われた裁判だったが、無罪判決が確定する。
地裁は4月27日、無職の藤田浩史被告(31)が不正送金した行為は有罪として懲役8年を言い渡す一方、隣家の無線LANを無断で使うために、パスワードを解読した行為は無罪とした。電波法はメールなど無線通信の秘密を盗むことを禁じているが、判決は、パスワードは、通信内容を知るための手段に過ぎないと結論付けていた。
一方、被告側は10日、一審判決の有罪部分を不服として、東京高裁に控訴した。