「サインくれ」がきっかけで神戸山口組が分裂


30日会見を開き、神戸山口組からの離脱を表明した新組織の幹部らは、神戸山口組に絶望した瞬間として、去年9月に新神戸駅で指定暴力団神戸山口組の組員らが「サインください」と六代目山口組の組長を挑発したいわゆるサイン騒動を挙げました。

30日午後、兵庫県尼崎市の組事務所に、指定暴力団神戸山口組から離脱したとされる組長らが続々と姿を見せました。報道陣・警察関係者などでごったがえす中、新組織「任侠団体山口組」の結成式が行われ、神戸山口組の最高幹部の1人だった織田絆誠、本名・金絆誠元幹部が代表に就任したということです。式の後、新組織の幹部らが一部の報道陣を前に記者会見を開きました。
 「(六代目)山口組を真っ向から否定して立ち上がったが、神戸山口組はそれ以上に悪政だった。真の山口組、真の任侠団体を作りあげるためである」
おととし、六代目山口組の組織運営に不満を持つ直系組長らが離脱し結成された神戸山口組。中核組織である山健組を中心に勢力を拡大しましたが、一方で、高い上納金や一部の組が優遇されるなど、六代目時代と変わらない不満がくすぶっていたといいます。会見で、新組織側が神戸山口組に絶望した瞬間として挙げたのが…
去年9月、新神戸駅で六代目山口組の司忍、本名・篠田建市組長を神戸山口組系の組員らが挑発した、いわゆる「サイン騒動」。新組織側は「恥ずかしい。山口組を正すため立ち上がったのに、我々の業界では絶対にあってはならんこと」などと、痛烈に批判しました。
 今回の分裂劇について、織田代表を取材した経験のあるノンフィクションライターの西岡研介さんは…
「(織田代表は)原理原則主義者。神戸山口組全体、執行部、井上組長に対する不満というものがピークに達していたので、ここを逃すとあとがないと思ったのではないか」
一方で、今回の騒動には別の見方も…。
新組織の織田代表は神戸山口組で重用され、井上組長にも心酔していたとされます。このことから、神戸山口組側が対立する六代目山口組側へ報復を行った際に、井上組長の責任を問われないようにするため、織田代表らをわざと離脱させたとする見方です。捜査関係者も…
「警察はまだ分裂とはひと言も言ってない。別組織なのか、それとも神戸山口組の括りの中にまだいるのか、これから見極めていく」
これについて西岡さんは…
「井上邦雄組長のことをかなりきつい言葉で非難されていたので、偽装ではなかなかできない」
 新組織の全容はまだ不透明で、大阪府警の捜査員が関係先に立ち入りを行うなど情報収集が進められています。一方、離反を許した神戸山口組では1日も山健組の関連施設に直系組長らが集まりました。今後の対応について協議したとみられます。
 「(組織の)切り崩しは進むでしょうけど、例えば拳銃を使っての抗争は考えにくい」