パッキャオ伝説の陥落


ボクシングのWBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦が2日、オーストラリアのブリスベンで行われ、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(38=フィリピン)が初防衛戦で同級1位ジェフ・ホーン(29=オーストラリア)に0-3で判定負けし、王座陥落した。世界的に無名の相手に大番狂わせを許し、再戦を望んだ。


 鋭い踏み込み、コンパクトなパンチ、そして連打。パッキャオを伝説にまで駆け上がらせたスキルは、オーストラリアの大地では鳴りを潜めた。地元ホーンを応援する5万5000人が詰め掛け、日が差す屋外のリングで接戦を落とした。「判定は尊重するよ。なんの言い訳もしない。彼が生き残ったということ」。母国の新たなスター誕生に熱狂する会場で、淡々と言葉をつないだ。


 昨年11月に7カ月ぶりの現役復帰戦で王座を獲得した。母国では上院議員。今回の試合に向けても多忙の中での調整の難しさも予想されていたが、相手は世界的評価が皆無に等しい。世界王者経験者でない相手と戦うのは11年ぶり。KO勝利も期待されていた。

 初回から展開は予想外となった。勢いよく連打を浴びせたのはホーン。前進する相手に手を焼き、左ストレートの迎撃も的中まで至らない。6回には頭部右、7回には頭部左を大きくカット。バッティングによるものだったが、劣勢を印象付けた。9回には体力的に苦しくなったホーンを押し込む場面もあったが、倒しきれなかった。


 敗者リングで再戦への意欲を問われると「また戦うことに問題はない」と即答。引退には言及しなかった。