★ 『ライフ・アフター・ベス』

2014年。アメリカ。”Life After beth”.
  ジェフ・バエナ監督・脚本。
 デイン・デハーン、オーブリー・プラザ主演のゾンビ・コメディ。
 若き日のレオナルド・ディカプリオの再来と言われるデイン・デハーン、確かに『ギルバート・グレイプ』や『バスケットボール・ダイアリーズ』の頃の、若いのにすごい演技派俳優が出現したと感動した時期のディカプーにイメージが重なる部分がある。あるいは、伝記ドラマで本人役を演じたジェームズ・ディーン、『理由なき反抗』の頃の上手いのか下手なのかさっぱりわからないが観客を虜にして目が離せなくなる感じにも近い。

 デハーン君の相手役は『私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと』でその筋金入りの役者根性を見せつけたオーブリー・プラザ、
 しかもチョイ役で『ピッチ・パーフェクト』のアナ・ケンドリックが出演する、
 若手演技派俳優3名出演のこのドラマはすごいことになっているに違いない。

 しかし、監督はいまだに面白かったのかつまらなかったのか判断停止したままの哲学コメディ、『ハッカビーズ』のジェフ・バエナというのが気がかりだった。
 喜劇なのか悲劇なのか社会風刺悲喜劇なのかあいまいなままに物語が進んでいくのは『ハッカビーズ』と共通している。

 デハーン君は恋人のオーブリー・プラザが毒蛇にかまれて死んで失意のどん底にある。絶望して、彼女が生き返るのなら何をしたっていいと『ペットセメタリー』みたいな気分でいると彼女の自宅に生き返ったオーブリーがいるのを発見する。『猿の手』という怪奇小説を連想させる始まり方で、代償の大きさを考えると、この後に起こるデハーン君への災難を予感させられてわくわくしてきた。
        IMDb
  公式サイト(日本)

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 当初は徐々にゾンビ化していく恋人のオーブリーをどう扱っていいのか悩み苦しむデハーン君だったが、途中で町全体がゾンビ化し始めて、前半の繊細な悩みは次第にどうでも良くなってきた。
 『ゾンビランド』からファンタジーとハッピーエンドの要素を抜き去ったような苦い味のゾンビコメディだったが、絶望の物語をユーモアを交えて描く点はジョージ・A・ロメロのゾンビ映画の定義に近いのかもしれない。
 デハーン君が言葉に詰まる場面が多く、早口過ぎて、英語圏以外の人間には会話の妙を楽しむまではいかない所もあった。これは『ハッカビーズ』も同じだったので仕方がない。

 ゾンビ化した人間はスムース・ジャズを好むという皮肉な設定はおかしかった。心が弱っていた時にスムース・ジャズ(パット・メセニーも含む)ばかりを聴いていたことを想い出した。

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 この映画で発見した期待の新人、マシュー・グレイ・ギュブラー、気が弱いくせに強がっている兄貴役で印象に残る。スティーヴ・ブシェミとジム・キャリーの若い頃を足したような顔だった。

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★ 『GONE HOME (ゴーン・ホーム)』

2013年。FULLBRIGHT COMPANY LLC. “GONE HOME”.
  フルブライト・カンパニー製作。
 フォックス・サーチライトが製作したみたいな雰囲気のテレビゲームが存在する、という話を耳にして以来、関心はあったもののテレビゲームから離脱して15年近く経過しているし、テレビゲームは脳細胞を破壊するという固定観念から自由になってもおらず、心のどこかではテレビゲームは脳に致命的なダメージを与えかねない、と信じているので、遠ざけていた。

 しかし、そのゲーム、『GONE HOME』の舞台が1990年代のアメリカの片田舎で、扱われている題材がライオットガール・ムーブメントだと知り、さっそくゲームを入手してみた。
 ライオットガール運動というものについて、ほとんど知識はなかった。ただ当時の頭の良い人たち、オシャレな人たち、カッコいい人たちの間で流行しているらしい、という浅はかな偏見を抱いていたものだった。
 フェミニズムとパンクに影響されて、自分の事は自分でけりをつける、責任をもって行動する、誰にも左右されず自分らしく生活する、という生活運動・文化運動(何か大きな勘違いも含まれているような気がする)だったようだが、具体的に何か、ということは全く知らなかった。

 実際にこのゲームを動かしてみると、テレビゲームが苦手な自分でも案外簡単に進めることが出来た。
 部屋のあちこちや隠し扉などに配置された手紙を読んでいくだけのゲームだから、行き詰まるということはない。

 ゲームの内容は自分が同性愛者であることに気づいた高校生の妹のサムが、姉へあてた手紙を探し出しては読んで、妹の感情教育の過程を姉が理解していく物語になっている。
 フォックスサーチライトの映画っぽいと言われればその通りのような気もする。
 しかし、どうにも物語の薄っぺらさが気になる。近年のフォックスサーチライトの映画はもっとひねって複雑にこじれているものが多いからだろう。
 似た感触の映画は、『リトル・ミス・サンシャイン』とか、『サンシャイン・クリーニング』あたりだろうか。それらの映画の軽さや薄味な印象にこのゲームも近いような気がする。

 結局、噂ほどには大したゲームではなかったのだが、一人称視点でゲームが進行することもあり、テレビドラマを見たりするよりは物語の世界に深く没入でき、妹のサムの手紙を読むナレーションの声の過剰にセンチメンタルな発声の効果もあり、クライマックスでの愛する人と永遠のさすらいの旅に出る決意を語るサムの声にはエモーショナルな効果があって、
 感激しやすい人ならぽろぽろと泣きながらもう一度ゲームをプレイしようと思ったことだろう。

 1990年代のポップ音楽周辺に思い出の多い人なら、にやにやしてしまう細部のこだわりが感じられて、好感を抱いた。
       公式サイト(US)

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  ライオットガール・ムーブメントに触発された手製のファンジンや雑誌等がサムの部屋や秘密の隠し部屋などに数多く置かれていて、プレイヤーを1990年代の時空にタイムスリップさせようとする。

gonehome02  フルブライト・カンパニーのスタッフたち。会社と言っても、自分の趣味の延長を仕事にしてしまった人々が集まって仲間になっただけで、これが商売として成立してしまったことにはうらやましさがある。
 一見して、ゲームおたくというよりは、音楽おたく寄りの雰囲気の人々のように映る。

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はじめまして。

ゆうきっていうオタクです。

暇なときにちまちま書いていければ良いなと思います。

ラブライバーなのでラブライブのことが多くなるかも(笑)

頑張るのでよろしくお願いします(^∇^o)(o^∇^)