井上尚弥がV5戦


ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23=大橋)の5度目の防衛戦が4日、都内で発表された。同級2位リカルド・ロドリゲス(米国)との一戦に先立ち、9月に米国での試合要請が届いたことが判明。本場へ渡るため必勝を期した。5月21日に東京・有明コロシアムで行われ、IBF世界ライトフライ級王者八重樫東(34=大橋)のV3戦とのダブル世界戦(日刊スポーツ後援)となる。20日には同会場でトリプル世界戦があり、2日連続の豪華興行となる。

はやる気持ち、高ぶる気持ちを抑えるように、井上が言った。「正式なオファーがきたと聞いています。まずは5月にしっかり結果残してからですね」。頭に描いたのは9月、米国のリング。昨年9月に渡米し、本場の空気に触れた。現地ファンから「イノウエ!」の声援を受け、芽生えた米進出の意欲。それを満たす魅力的な知らせが届いた。V5戦前に絶好のモチベーション材料。「9月に爆発したい」。国内の試合で導火線の火は消せない。

昨年9月は、ターゲットにしてきた「ロマゴン」こと、4階級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の試合を観戦するため渡米した。米老舗専門誌「リングマガジン」選定の「パウンド・フォー・パウンド」(全階級通じての最強選手)1位に君臨していた軽量級の雄。近い将来の対戦を念頭に置いてきた。だが、先月の王座戦でゴンサレスがまさかの敗北を喫し、目標は宙に浮いていた。「全然変わらないですよ」とショックは否定も、気の持ちようが難しかったタイミングでの米オファーは、最高の良薬となった。

ゴンサレスが4位に降格した同誌の最新ランクでは、井上は10位。オファーの背景を大橋会長は「次の軽量級のスターとして求められているのでは」とみる。王者返り咲きを狙うゴンサレスを含め、実力、知名度から主役の1人として声がかかった。9月に見込まれるビッグマッチの前座として、まずは「顔見せ」の意味合いが強い。詳細はV5戦以降で、階級や王座戦となるかも検討していく。

V5戦へ向けては下半身強化に取り組んできた。砂浜での走り込みなど、拳に力を伝える土台作りでパワーアップを図る。「接近戦がうまいイメージ」というロドリゲスを迎撃する準備は着々と進む。試合は日本中で2日間で6つの世界戦が行われる大トリ。「良い試合をして締めたいと思います」。その先に本場が待っている。