日本語解説 フル試合動画 | フロイド・メイウェザー vs. コナー・マクレガー | Floyd Mayweather Jr vs conor McGregor Full fight


■Showtime幹部「メイウェザー vs. マクレガーのPPVは大成功だった」
Showtime副社長のスティーブン・エスピノーザが8月26日に行われたフロイド・メイウェザー vs. コナー・マクレガーのPPV契約数について以下のコメント。
「確定した数字を言うのは時期尚早だが、400万件台の中盤から後半ぐらいだと見ている」
「レコード(フロイド・メイウェザー vs. マニー・パッキャオの460万件)が破られなかったとしても、それに極めて近い数字になるだろう。我々は大成功だったと考えている。エキサイティングで面白い試合だったし、多くの関心を招いた」


イベントとしては最高でした。
ボクシングとしてはミゲール・コット VS. 亀海喜寛のほうが断然上でしたけど・・。
■フロイド・メイウェザー・ジュニア vs コナー・マクレガー|世紀の異種格闘技戦が実現した背景とは
2017年3月11日、ボクシングで5階級制覇を成し遂げたフロイド・メイウェザー・ジュニア氏が、ついに現役復帰を宣言しました。
しかし、その試合の対戦相手は、「ボクサー」ではありません。
対戦相手として名指しされたのは、総合格闘家のコナー・マクレガー選手です。
ボクシング界のスーパースターであり、生ける伝説とも言われる、フロイド・メイウェザー・ジュニア。
総合格闘技界における最高峰の舞台「UFC」の世界ライト級王者、コナー・マクレガー。
ひと昔前の「異種格闘技戦」の雰囲気を漂わせる構図です。
一年ほど前から、両者が対戦するという噂は、ボクシングおよび格闘技系のニュース界隈をたびたび賑わせていました。
とはいっても、これまではメイウェザー側もマクレガー側も、試合の実現を匂わせた発言はするものの、両サイドともにどこか「世間の反応を見ている」といった感がありました。
しかし、メイウェザー氏の今回の発言は、「6月に試合をするという契約にサインをしろ」とマクレガー側に呼びかけるという、非常に具体的で積極的なものです。


■フロイド・メイウェザー・ジュニアとは、どんなボクサー?
ボクシング史上、最高の天才──。
パウンド・フォー・パウンド(全階級で最強)──。
名実ともに、フロイド・メイウェザー・ジュニアほど、その呼び名にふさわしいボクサーはいないでしょう。
2015年5月2日に行われた、フィリピンの英雄、マニー・パッキャオとの”世紀の一戦”は、世界中が注目するメガ・イベントとなりました。
両者が受け取ったファイトマネーとPPV(ペイパービュー)報酬の合計額は、なんと360億円以上とも言われています。
このとてつもない金額が、この一試合、この一夜のためだけに支払われたのです。
戦前、この試合を評して「スポーツの歴史上、最も大きな出来事になる」との弁はメイウェザー本人のものですが、決して大げさな表現ではなかったと言えるでしょう。
パッキャオ戦ののち、メイウェザーは強豪アンドレ・ベルトとの「WBA・WBC世界ウェルター級王座統一戦」を行います。
その試合を、圧倒的な内容での判定勝利で制すると、無敗のまま現役引退を表明しました。
しかし、引退後もその存在感と影響力は健在です。
ランボルギーニ・アヴェンタドールや、ブガッティ・ヴェイロンなどの高級車を次々に購入したり、インスタグラムで豪奢な暮らしぶりをたびたび披露するなどし、今でも話題には事欠かない人物です。

■コナー・マクレガーとは、どんな格闘家?
現在、MMA(総合格闘技)界における最高のスターと言えば、このコナー・マクレガーということになるでしょう。
MMAの最高峰の舞台と呼ばれるUFCで、数多の強豪をKOしてきたアイルランド出身の格闘家です。
卓越したボクシング技術と多彩な蹴り技を併せ持つ、スタンドでの攻防に秀でたストライカーです。
彼の最大の武器は、サウスポースタイルから繰り出される左ストレート。
ジョゼ・アルド、エディ・アルバレス、ネイト・ディアス・・・
数々のUFCのトップファイターたちが、この左ストレートの前に膝を屈しました。
また、試合前はトラッシュ・トークにより相手選手を繰り返し挑発し、メディア対応においてもビッグマウスを連発するといったスタイルであるため、良くも悪くも彼の試合は注目を集めます。
格闘家としての強さだけではなく、そうしたエンターテイナーとしての才能も兼ね備えている点が、彼の人気の所以でしょう。
UFC世界ライト級王者であったエディ・アルバレスへの挑戦時は、試合会場となったマディソン・スクエア・ガーデンの入場料収入最高記録を更新し、大きな話題となりました。


メイウェザーとマクレガー、どちらも「スーパースター」と呼び称される存在ではあるものの、やはり「格」という面では、メイウェザーが圧倒的に上です。
両者が試合をするとなれば、MMAルールではなく、メイウェザーの土俵であるボクシングルールで行われることは間違いありません。
そして、ボクシングルールでメイウェザーとマクレガーが戦ったなら、「マクレガーに勝ち目などない」というのが、大方の識者に共通する見方でしょう。
MMAのリングにおいては、卓越したボグシング技術で他のMMAファイターを圧倒するマクレガー。
しかし本職のボクサー、それもメイウェザーという超一流のボクサー相手に、その技術が通用するかは大きな疑問符がつきます。
メイウェザーは引退したとはいえ、いつでも現役復帰が可能なシェイプを保っていることで知られています。
恐らく引退した直後から、近い将来に必ず訪れるであろう「稼ぎのチャンス」を逃すことのないよう、相応のトレーニングは欠かしていないのでしょう。
全盛期のパフォーマンスとまでは至らなくても、ボクシングのリングでなら、マクレガーを寄せ付けない実力を発揮するだけの余力は十分に残していると思われます。
つまり、メイウェザーにとってコナー・マクレガー戦は、イージーな試合で数十億円というお金を稼ぐことができる「おいしい話」であるはずです。
また、お金だけでなく「栄誉」という面でも、この試合はメイウェザーにとって重要なものとなります。
メイウェザーの49戦49勝という現在の戦歴は、ロッキー・マルシアノが1955年に達成した全勝記録と並んでいます(引き分け無しの無敗記録)。
マクレガーとのボクシング対決を制したならば、このマルシアノの記録を更新することになり、メイウェザーはさらなる不朽の栄誉を手にすることができます。
一方、マクレガーにとってもメイウェザー戦は、UFCで行われる試合の何倍もの大金を稼ぐことができ、さらには自分の名を世界中に売ることができる「おいしい話」です。
付け加えるならば、MMA選手であるマクレガーにとって、ボクシングのリングで敗北を喫したとしても、大きなイメージダウンには至らないという面もあるでしょう。
以上のような背景があることから、両者の試合実現に向けての動きは、コアなボクシングファンや格闘技ファンからは冷ややかな目で見られがちです。
両者の試合は、「勝負」というより「エンターテイメント」として受け止められてしまっているわけです。
しかし、それでもやはり試合が実現するとなれば、世界中の視線が集まるビッグ・イベントになることは間違いないでしょう。


ボクサーであるメイウェザーと、総合格闘家であるマクレガーがボクシングマッチをするとなれば、当然のことながら、メイウェザーが圧倒的に有利な立場です。
メイウェザーの40歳という年齢はネックになりますが、それを補ってあまりあるほどの経験とスキルが、彼にはあります。
2015年9月12日に行われた「引退試合」のアンドレ・ベルト戦で見せたパフォーマンス、その8割ほどが発揮できたならば、マクレガーを一切寄せ付けずに完勝することができるのではないでしょうか。
マクレガーも、総合格闘技界の最高峰の舞台であるUFCにおいて、トップレベルのパンチテクニックを有していると評される選手です。
しかし、総合格闘技(MMA)におけるパンチテクニックは、ボクシングにおけるそれとは別物です。
例えば、マクレガーのスタイルは、両手を胸、あるいは腰のあたりに構える、ガードが極端に低い形です。
こうしたリラックスしたスタイルは、パンチの出がスムーズになるとともに、死角からパンチをねじ込みやすくなるため、パンチを主武器とするMMA選手が採用することが、近年多くなっています。
しかし、このスタイルが有効なのは、MMAの間合いにおいてです。
タックルや蹴りなどを警戒せねばならないMMAの試合では、パンチのみを警戒すれば良いボクシングの試合よりも、彼我の距離が広がります。
この一定の距離があるからこそ、両手を下げて構えていてもディフェンスが間に合い、上で述べたようなオフェンス面でのアドバンテージを活かすことができます。
翻って、ボクシングの試合では、こうした両手を下げたリラックスした構えはご法度です。
距離が近いために、ジャブや、ダイレクトのストレート、スイングなどを被弾するリスクが跳ね上がるためです。
つまりマクレガーは、メイウェザーとのボクシングマッチに臨むにあたり、自身のファイトスタイルの根本的な見直しを図らなくてはなりません。
そして、短期間でそのようなスタイルの改革を行うことは、いくら天才的な格闘センスを持つマクレガーでも、困難を極めるでしょう。
そのほかにも、マクレガーはスタミナ面で問題を抱えています。
2016年3月5日に行われたネイト・ディアスとの試合では、第1ラウンドは得意のパンチテクニックでネイトを圧倒したものの、第2ラウンドに入ってからは失速し、最終的にはネイキドチョークを極められてしまいました。
その後、2016年8月20日に行われたネイトとの再戦においても、やはり第1ラウンドは圧倒し、2ラウンド目以降は徐々に失速。
なんとか逃げ切りには成功したものの、前戦に続いて、深刻なスタミナ不足を露呈しています。
メイウェザーとのボクシングマッチは、1ラウンド3分、12ラウンドという長丁場。
恐らくマクレガーは、試合中盤以降はスタミナ切れに陥ります。
そうなれば、12ラウンドをフルに戦うことに慣れているメイウェザー相手に、為す術はないでしょう。
マクレガーがメイウェザーに勝利する可能性は、いかほどか?
では、マクレガーがメイウェザーに勝利する可能性はまったくないのか、と言えば・・・。
そこはやはり、「メイウェザーの衰え次第」となるでしょう。
しかし、パワーやスピード、スタミナが多少衰えたところで、この試合の行方を左右するほどの要素になるとは思えません。
試合の鍵を握るのは、メイウェザーの「反射神経」の衰えでしょう。
メイウェザーは、ディフェンス面でもオフェンス面でも、「超人的な反射神経」をフル活用してきた選手です。
相手の初動を察知し、反射的に動いてパンチをかわしたり、カウンターを仕掛けたりする戦術が、メイウェザーのボクシングの根底にあります。
この戦術を支えるものが、前述の「超人的な反射神経」です。
そしてこの反射神経は、加齢やダメージの影響により、衰えが進む能力の筆頭と言えます。
40歳という年齢に達したことで、メイウェザーの反射神経に著しい衰えがあらわれているとしたら・・・
長年にわたって積み重ねてきた「反射神経を活かした技術と戦術」が、逆にメイウェザーの足枷となってしまう可能性も考えられます。
ですが、実際のところ・・・
現役時代、あまり打たれることがなく、かつ引退後もシェイプを保ち続けてきたメイウェザーです。
「著しい能力の衰え」があらわれているとは、考えにくいものがあります。
こうした背景があることから、各メディアにおいても、「試合の勝敗など火を見るより明らか」という声が圧倒的です。
そんな世論を受けてか、メイウェザーは最近、次のようなコメントを発表しました。
「勝敗が判定にもつれこんだら、マクレガーの勝ちでいい」
もちろん、これはリップサービスのようなもの。
実際には、そんな特殊なルールにはなり得ません。
しかし、こうした発言をした以上、メイウェザーも従来のディフェンシブなスタイルを、12ラウンドにわたって貫き通すわけにはいかないでしょう。
そこに、マクレガーにとってのチャンスが生まれます。
ボクシングスキルはメイウェザーが圧倒的に上でも、反射神経の鋭さでは、マクレガーもメイウェザーに比肩し得るかもしれません。
メイウェザーが慣れないアグレッシブなスタイルで向かってきたところに、マクレガーが超人的な反射神経でカウンターをねじ込み、ボクシング史上最高の天才をリングに沈める──。
8月26日に、もしそんなシーンが見られたとしたら、これはまさに、ボクシングとMMA、双方の歴史上における最大級のアップセットと言えるでしょう。


興行戦争とは言え、同日にやるのはもったいなかったよなぁ・・