WBO世界スーパーウエルター級 | 亀海喜寛 VS ミゲル・コット


WBO世界スーパーウエルター級級6位亀海喜寛(34=帝拳)が元4階級制覇王者で同級1位ミゲル・コット(36=プエルトリコ)に0-3(108-120、110-118、109-119)で判定負けし、初挑戦での世界タイトル獲得はならなかった。
同級では81年の三原正以来36年ぶり3人目の王座獲得(暫定のぞく)、米国での世界タイトル獲得も三原以来3人目という記録がかかっていた。
初回から「フルアクションでいく」と宣言していた亀海は、これまでの試合同様に前進し続けて接近戦に持ち込んだが、1試合で18億円のファイトマネーを稼いだこともある超大物コットの反撃にあう。角度をつけた多彩なフック、アッパーで顔をはね上げられ、足でさばかれる展開が終始続いた。打たれ続けても前に出て、手を出し続けるスタミナは驚異的だったが、最後まで有効打は奪えずに、大差判定負けとなった。
亀海は05年にプロデビューし、10年に日本スーパーライト級王座獲得、13年に東洋太平洋ウエルター級王座を獲得した。この試合が米国では9戦目、プロ33戦目だった。


■亀海喜寛、打倒コットの鍵「打数」
ボクシングのWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦は今日26日(同27日)にゴングが鳴る。25日(同26日)に前日計量に臨んだ同級6位亀海喜寛(34=帝拳)は、元4階級王者ミゲル・コット(プエルトリコ)とともに一発でクリア。はかりから降りると、右拳で心臓をたたいた。前日に元6階級制覇王者でプロモーターのデラホーヤ氏から「鉄のハート」と命名された。「鉄でなく鋼の意味もあるそうで、『鋼のハート』に変えてください。そっちが強そう」と笑顔でお願いする余裕もあった。
巧みに足を使い、好機に好打を集めるコットを「自分のパンチで迎撃し、フットワークで離れ、呼吸を整える」と分析する。クリンチ多用の逃げ癖タイプでないことを歓迎し、「つかまえる自信はある」とした。
その鍵は野球のようにパンチの「打数」を増やし、ヒット数を増やすこと。「打率3割だとしても、打席に立つ回数がたくさんあればヒットの数は増える」と例える。驚異的な手数でKOを生む。自らに破格の豪打はない。世界の一流に勝つには手数勝負と掲げ、実行するスタミナを鍛え上げてきた。
米国9戦目。成果を見せる大勝負。「フルアクションで最初から最後までハイペースで戦う」。“ホームラン”を打ち込む。


■村田諒太、亀海戦は「サッカーW杯準決勝ドイツ戦」
ボクシングのWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦は今日26日(同27日)にゴングが鳴る。25日(同26日)に前日計量に臨んだ同級6位亀海喜寛(34=帝拳)は、元4階級王者ミゲル・コット(プエルトリコ)とともに一発でクリア。
日本で吉報を待つ帝拳ジムの後輩、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太は亀海の渡米前、「もっと注目してほしいし、もどかしい! うらやましいです!」と興奮していた。亀海より1階級上のミドル級が主戦で、コットとの対戦も思い描いてきた。「サッカーに例えるならば、W杯の準決勝で日本がドイツ、スペイン、ブラジルと戦うようなものです」とすごみを伝えた。「亀海さんの強さは『自分のスタイルを貫いて戦えば世界で通用する』という確信。コットにも通用する」と期待。「勝ったら正直焼きもちを焼きます」と笑った。


■パッキャオ育てた名トレーナー「亀海は最もタフだ」
WBO世界スーパーウエルター級6位亀海喜寛(34=帝拳)が初の世界戦で、4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)に0-3の大差判定で敗れた。
コットはリング上で「亀海はタフだった」とたたえ、肩を抱えた。1年9カ月ぶりのブランクが心配されたが、終盤まで軽快な動き。的確な打撃の精度も落ちなかった。試合後には12月に1試合戦って引退するとあらためて明言。パッキャオも育てた名トレーナーのローチ氏は「いままで見た選手で最もタフ」と驚いていた。


■亀海喜寛「乳酸たまって…」
WBO世界スーパーウエルター級6位亀海喜寛(34=帝拳)が元4階級制覇王者で同級1位ミゲル・コット(36=プエルトリコ)に0-3(108-120、110-118、109-119)の判定で敗れ、初挑戦での世界タイトル獲得を逃した。
同級では81年の三原正以来36年ぶり3人目の王座獲得(暫定のぞく)、米国での世界タイトル獲得も三原以来3人目という記録がかかっていた。
試合後には「(相手が)レジェンドと言えども、勝負の一戦に変わりはなかった。ただ、残念の一言です」と目元を青く腫らして肩を落とした。世界でも5本の指に入るスーパースターに対し、初回から作戦通りの動きを貫いた。前に圧力をかけて、時には小走りで追い詰め、手数を出し続けるのが亀海スタイル。「3度くらいは確実に効いたのはあったのは分かってけど、詰め切れなかった」。誤算は両腕が動かなかったこと。「乳酸がたまってしまい、ショートのパンチが打てなくなった」。晴れ舞台にアドレナリンも出て、普段のパワー以上に打ち込んだことで、普段にはない症状が4回ころから出たという。距離を詰めてから、執拗(しつよう)にパンチを見舞うスタイルにブレーキがかかってしまい、「詰め切れなかった」。
コットの老練なうまさもあった。距離を詰められても、亀海の打ち終わりに連打をかぶせる。角度の違う多彩なボディー、アッパーを放ったかと思うと、深追いはせずに足でさばいた。巨額のファイトマネーを稼いできた36歳は、この試合を含めて残り2試合での引退を決めている。亀海を無理に倒そうとはせず、しっかりとポイントを稼いで試合を終わらせた。
亀海は11年から米国での挑戦を始め、これが9戦目だった。激しいファイトスタイルで本場のファン、関係者の心をつかみ、ひのき舞台に駆け上がった。「一番大きなチャンスを逃してしまった」と落胆したが、この日の戦いに関係者の評判は悪くなかったという。中継局のHBOの上層部からは「またチャンスを作る」と約束もされた。逃がした魚は大きいが、まだ先に道は残された。


■亀海喜寛は大和魂見せた
WBO世界スーパーウエルター級6位亀海喜寛(34=帝拳)が初の世界戦で、4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)に0-3の大差判定で敗れた。
亀海は完敗だったが大和魂は見せた。初回から押し込んで、追い込んでいった。2回もショートパンチが当たり、このペースならコットが失速して、いけると思った。最後までプレッシャーをかけ続け、決定打はもらわなかった。
3回からのコットはさすがだった。スピードとパワーは落ちたが、インサイドからうまく打ち込んできた。パンチを読み切った防御が完璧で試合運びがうまかった。疲れないように相打ちをさけていた。よけによけてかわしにかわして、3、4発をまとめた。倒そうとせずにポイント狙い。守備の大事さを思い出させた。
亀海は空振りのパンチが当たっているだけで違った。あれでスタミナもなくなった。日本屈指のテクニシャンでいい勝負できると思ったが。いい経験にはなったはずで、他の王者との戦いが見たい。


■亀海喜寛の終わりなき夢
「日本史上最大の挑戦」は失敗に終わった。WBO世界スーパーウエルター級6位亀海喜寛(34=帝拳)が初の世界戦で、4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)に0-3の大差判定で敗れた。世界で5本の指に入る超大物に接近戦を展開したが、老練な技術、足さばきに決定機を作らせてもらえなかった。熱戦で価値を上げ続けて米国9戦目。周囲の評価は不動で、今後も本場で戦う意思を示した。
「カモン!!」。最終12回、残り40秒、亀海はコットに呼び掛けた。前進で圧力をかけ、パンチを放ち続けたが、決定機は作れなかった。勝負は決していたが、たどり着いたひのき舞台に、最後まで全力を尽くす意志がみなぎった。
2回にはアッパーの連打で出血した。その後も見た目にはパンチで顔がゆがんだが、「顔をそらしてダメージを逃がしていた」。首をひねって衝撃を減らす高等技術を随所に見せたが、1試合で18億円を稼ぐコットの技術力も超一流だった。時には小走りで接近戦に引き込んだが、打ち終わりに連打、さらに柔らかい上体と足でさばかれた。
至近距離で異常な手数で押す。10年に日本王座に就いたころは、守備的。世界で戦うために大胆に変えた。「やめた方がいいと言って離れていったファンも多かった」。それでも信念を貫いた。圧倒的な体力を得るためのサーキット練習では、そのきつさから、開始前に緊張で心拍数が上がりすぎて1セット飛ばすこともあった。
激戦で本場を魅了し、米国9戦目で巨頭にまみえた。「レジェンドですが、勝負の一戦に変わりはなかった。残念の一言です」と落胆は隠せない。ただ、同時に積み上げた評価は落ちなかった。中継局HBO幹部からは「またチャンスを作る」と約束もされた。
入場ではブーイングは少なく、むしろ「カメガイ!」と外国人の発音で声援は飛んだ。それが評価の証し。「またビッグネームとやりたい」。日本史上最高の大物に苦杯をなめたが、終わりではない。


■亀海喜寛が帰国、敗戦に反省
26日のWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦で敗れた亀海喜寛(34=帝拳)が30日、米国から帰国。
「悔しいし反省はあるが試合の評判も良く、またチャンスをもらえるということなので挑戦を続けられる」