浅田真央の人気の一因となった悲劇「トリノ五輪」


◆真央引退、人気の一因となった悲劇
フィギュアスケートの元世界女王の浅田真央(26)=中京大=が10日、自身のブログを更新し、現役引退を発表した。五輪金メダルの夢には届かなかった真央だが、その悲劇性も列島を感動させる要因のひとつとなった。
代名詞のトリプルアクセルを武器に全日本選手権で2位となった05-06シーズン。国民からはトリノ五輪出場を願う声が噴出したが、年齢規定のためにリンクに立つことはできず。五輪本番では、全日本で3位に終わった荒川静香が五輪で金メダルに輝いた。

 日本中が金メダルを期待した10年バンクーバー五輪は、ライバルのキム・ヨナ(韓国)に屈して銀メダル。しかし、五輪の大舞台で3度成功させたトリプルアクセルは、金メダル級の感動を呼んだ。

 11年12月には、最愛の母・匡子さん(享年48)が死去。それでも真央は、直後に行われた全日本選手権に強行出場して見事に優勝し「母も…喜んでくれていると思います」と、ファンの涙を誘った。

 競技生活の集大成として臨んだ14年ソチ五輪は、SP16位と大きく出遅れ。しかし、フリーでは完璧な演技で巻き返して6位入賞を果たし、涙。記録以上にファンの記憶に残るフィギュア界の女王だった。

フィギュアスケートの元世界女王の浅田真央(26)が現役引退を発表したことを受けて、バンクーバー五輪以降、指導した佐藤信夫コーチが11日、横浜市内で取材に応じた。引退を発表する前の10日の午前中に、新横浜のリンクを訪れた真央から直接引退の報告を聞いたそうで「『終わりにする』ということだった。よくここまで頑張ってきたなと思う。お疲れ様しか言葉がなかった」と、愛弟子をねぎらった。

昨年の全日本後、真央が新横浜のリンクを訪れたのは初めてだった。引退の相談はなかったが、「正直、そういう風になるのかなと予測はしていた」という。浅田真央という選手について「偉大なスケーターだった」と評した信夫コーチは、今後について「いつまでもみんなに愛されるスケーターであって欲しい」と、願いを込めた。

 信夫コーチとともに、真央を支えた妻の佐藤久美子コーチも「寂しくなりますけど、いつかはこういう日がくる。今まで頑張ってきたから」と、優しい口調で話した。「私たちにとって、あれだけ素晴らしいスケーターが一緒にいてくれたのは幸せだった。あれだけ華やかな選手はいない」。スッキリとした表情で引退を報告した真央だったが、別れ際、コーチたちとハグをすると、感極まった表情も見せていたという。久美子コーチは「最後はね。こっちもグッときちゃったし」と、笑顔で振り返った。

◆嵐・櫻井、真央引退に「脳裏から離れない」
10日放送の日本テレビ系「NEWS ZERO」(月~金曜・後11時)で、同日に発表されたフィギュアスケート女子・浅田真央(26)の引退を伝えた。同番組のキャスターを務める嵐の櫻井翔(35)が、思いを語った。
「私もそうですけど、恐らく多くの人の記憶に残っているのはソチ(五輪)の一番最後のフリーの演技かなと思うんです」。櫻井はこの演技を現地で見届けていた。「最後に天を仰いで細かく震えながら、肩を震わせる、万感の思いを込めた鬼気迫る演技というんでしょうか。それが本当に脳裏から離れないですね。すごいものを見たな、というような印象でした」と振り返った。

 「そういった意味では印象に残る、記憶に残る浅田選手の演技をまだまだ見たいなという思いがある一方で、ケガとの闘いも長いことあったと思いますし、この決断は当然簡単ではなかったと思いますので、まずは本当にお疲れさまでしたということを申し上げたいですね」と国民の期待を背に戦い続けた希代のスケーターをねぎらった。