第1次ソロモン海戦(上) 作戦名「殴り込み」 ガダルカナル奪回狙い、得意の“夜戦奇襲”仕掛ける NO.2

第1次ソロモン海戦(上) 作戦名「殴り込み」 ガダルカナル奪回狙い、得意の“夜戦奇襲”仕掛ける NO.2

 

(4/5ページ)【関西歴史事件簿

ガダルカナルの飛行場。のちに「ヘンダーソン」と名付けられた

 

 16ノットで航行する第8艦隊の8隻には次のような申し合わせがあった。

日本海軍が最も得意とする夜戦とし、(1)複雑な艦隊運動はやめる(2)戦闘海域での速力は26ノット(3)各艦1200メートル間隔の一列の単従陣で砲撃・雷撃する(4)敵味方識別のためマストに白い吹き流しを付ける(5)目標は輸送船(6)攻撃後は敵空母の攻撃圏外に退避する-など。

一方の連合国軍は重巡洋艦6隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦8隻という陣容で、9日朝に上陸作業が終わるまではガダルカナル島の北に浮かぶサボ島の南と東、さらに北の3方面に分散させて配備し、日本艦隊の襲撃に備えていた。

偵察機などからサボ島に巡洋艦、ツラギ島に輸送船を確認したとの報告を受けた午後10時過ぎ、午前の日本航空隊の攻撃で燃える船体の明かりでサボ島を確認した第8艦隊は、島の南方水域に向けて突入を開始した。

旗艦の鳥海に続き青葉、加古、古鷹、衣笠の4重巡群。

さらに天龍、夕張の軽巡2隻、夕凪の順で縦一列に並んだ約8キロの艦列は一糸乱れることなく26ノットで進んでいった。

午後10時43分、鳥海の見張り員が右舷9000メートルに駆逐艦を発見。その直後にも別の駆逐艦が現れたがいずれも気づかれず、やり過ごし、8隻は連合国軍の艦艇が群がる中を静かに奥へと入っていった。

月明かりのない暗くて静かなサボ島周辺海域だったが、午後11時半、1機の飛行機が吊光弾(ちょうこうだん)を投下すると周囲が眩(まばゆ)いばかりの光に包まれた。

 

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 突然に浮かび上がった両軍の艦艇。あまりの至近のために驚く連合国の一瞬の隙をついた日本艦隊から砲撃が起き、「鳥海」から発射された魚雷は巡洋艦「キャンベラ」に命中し、大きな火柱があがった。(園田和洋)

当時製作された国策映画 ガダルカナル島を巡る戦いで日本と連合国軍との戦いは激烈を極め、特に航空戦力は連合国軍の技術向上もあって消耗戦の様相を呈してくる。

戦争も優位に展開していたときはあまり製作されることがなかった映画会社の国策映画もこのあたりから頻繁に姿を見せるようになる。

昭和17年10月に公開された東宝映画「翼の凱歌(がいか)」はその1本。

ふんだんに使われた当時の陸軍主力戦闘機「隼」がかっこよく飛ぶシーンは、この直後に出る開戦1周年記念作品「ハワイ・マレー沖海戦」と並び空にあこがれる少年を将来の航空兵へと誘導するにはもってこいの映画だ。

イギリス人を時代劇の悪代官役のように仕立てた18年1月公開の東宝映画「阿片(あへん)戦争」もなかなかのもの。

主役の中国の麻薬取締大臣を市川猿之助(2代目)が演じ、中国人を威圧して最後に街を焼き尽くすイギリス人役も悪魔に似たつけ鼻も印象的に日本人が務めている。

日本も中国も同じ東洋人として醜いイギリスを撃つといった、大東亜共栄圏を強く印象づけた作品に仕上がっている。

 

【歴史事件簿】第1次ソロモン海戦(上) 作戦名「殴り込み」 ガダルカナル奪回狙い、得意の“夜戦奇襲”仕掛ける

ガダルカナルの飛行場。のちに「ヘンダーソン」と名付けられた