プレイレポート 18/02/24 TNX『灰雪のイノセンツデイ』

土曜日はシェンツ先生のオリジナル新作NOVAを遊んだよ。

シナリオタイトル:灰雪のイノセンツデイ システム:NOVA-X RL:シェンツさん

二次元くん:”天使屠殺者”ダインスレイヴ:28歳女性:シキガミ◎カタナ=カタナ● かつてとあるテロリストの剣として、破壊の限りを尽くした女。主がカオスに魂を捧げ、彼女の神でなくなって以来、かつての神を殺すべく浄化派専門の殺し屋となった。使い手を運命にもぎ取られた、狂える刃。
新米くん:明透:18歳女性:ニューロ◎カブト●コモン 新星帝都大付属で平穏な日々を送る少女。奇っ怪な事件に首を突っ込む悪癖を持つが、それは”教団”の近衛として魂を捧げた過去を封じられ、生まれた空白を埋めるための代償行為である。再生し手に入れた日常に誇りを持つ、血みどろの凡人(コモン)。
コバヤシ:”赤い誘蛾灯(プロメテウス・アンバウンド)”桜雅あやな:20代女性:マネキン◎ハイランダー●マヤカシ 隔離独房”閲覧室”にいながらにして、事件を制圧するNOVA最悪の犯罪者。”七天使(セブンカラーズ)”が一人、自動的に悪意を拡散する”教団”の姫神として、浄化派のテロルに加担していた過去を持つ。神経系を強化され尽くした、新人類の雛形。奇業に導かれて運命と暴力が炸裂する時、彼女は大地に、再びその足で立つ。

と、言うわけで! 推奨枠が『元浄化派』というパワフルなシナリオを、どっぷりと遊んできました。NOVAを長く続けると、キャラフォルダに一人は生まれるろくでなしテロリストを、野に解き放って散々過去とグダグダしよう! という、素晴らしいシナリオ。
プレアクトでの情報開示、全体的なムードが非常に丁寧で、いい具合にマインドセットできたこともあって、濃口のカルマを抱え込んだろくでなし共が、雁首揃えるいい卓となりました。
濃厚な設定や物語は、ともすれば消化不良に陥ることも多い危険物ですが、適切に共有できるサイズと温度を与えると、アクトを加速する最高の燃料にもなります。ここらへんをRLとPLが巧くコミュニケーションすることで、前もって仕上げられたのが非常に良かったと思います。

本編も事前準備に負けないくらい濃厚で、感情が溢れかえる超ろくでもない(褒め言葉)展開でした。殺すことでしか決着を付けられない、正しさに背中を向けてテロに走った連中が、それでも答えを求めて喉笛に噛みつきあう。NOVAの強さを最大限活かしたシナリオだなぁ、と思いました。
NOVあの社会設定や背景を巧く組み込んだシナリオであると同時に、『テロル』という行為、そこに焼き付けられる人間の感情と真摯に向き合った、非常にシンプルで力強いシナリオでもありました。固有の設定で足を止めず、その背後にある分厚い不条理やカルマと本気で殴り合って、シナリオにブチ込んでくる腕力の強さが、プレイヤーの没入度をレッドゾーンまで引っ張ってくれました。
感情の濃度だけでなく、ワクワクするろくでなし大破壊がNOVAを襲い、超絶の魔人達が次々顔を出すスピード感と熱量の高さも、スペクタクルを高めてくれました。詩情の高さを確保した上で、ハリウッド的な問答無用の大興奮をイベントシーンでしっかり演出してくる業前、流石だなあ。

キャストも煮込まれた連中がガツガツと顔を出し、お互いの思いをしっかり伝え合う展開となりました。特に新米くんは僕の設定をしっかり拾ってキャラを新造してくれて、ありがたい限り。
ゲストなりキャストなり、濃口の感情が飛び交うこのシナリオ。ともすれば別の窓口を閉じ、近視眼的なプレイにもなってしまいそうな雰囲気でしたが、それぞれのメソッドでチャンネルを開けて、今目の前で交歓されている情報や感情、敬意に対して『開かれた』プレイになりました。
物語を色濃く背負ったキャラは、それが重しになって『変わること』へのフットワークも重くなります。『俺のキャラはこうなんだ』という固定観念が、練り込んだ物語の中にたっぷり含有されてて、リアルタイムで展開される目の前のシナリオ、目の前のキャラクター、目の前のプレイヤーに対し、リスペクトを欠いて拒絶してしまう場合が、けっこうある。
んだけども、今回のプレイは全員が濃口の過去と、そこにまつわる感情を背負い大事にしつつ、それが他のPLやRL,シナリオと接することでどう変化するかについて、怯えなく飛び込めた感じでした。

『一緒に卓を囲んで情報と物語を交換して、ほかでもない今、俺はこう感じてる。こう変わっていきたいと思っているし、それを共有してほしいとも思う』というメッセージを、しっかり他者に対して出し、受け取り、コールとレスポンスを重ねていくこと。
TRPGの醍醐味とも言えるダイナミックな物語生成、キャラクターの変化を至近距離で感じ取る喜びが、重厚かつパワフルなシナリオと、リスペクトのあるプレイ環境に支えられ、骨の髄まで染み渡るようなアクトでした。最高でしたね。

僕はかなり久々に、キャラクターに『自分だけの物語』を山盛り背負わせる形で、セッションに参加しました。普段から寝言モリモリ系プレイヤーなんですが、自分的には結構セーブしてるんですよアレでも。
『自分だけの物語』って、『物語を他者と共有する』メディアであるTRPGでは時に重しにもなって。物語を理解してもらうためのコスト、それを他者に強いる身勝手さとかいろいろあって、労なく食える(だろう)サイズと軽さに押さえて、最近はゲームしていました。
それは過去、『自分だけの物語』を過剰に振り回してたっぷり事故った経験ゆえの立ち回りなんだけども、シナリオとメンツを信頼し、あえてアクセルベタ踏みで行ってもいいかな、と今回思えました。んで、踏んだと。

結果として、それは良かったと思います。卓全体のコンセンサスとリスペクトが成立したこと、物語の濃度と温度を全員で共有できたことで、『自分だけの物語』の重さがいい具合に分散され、卓が加速する燃料になってくれたようです。
それはみんなが努力し、目を開けて卓を、そこに座っているメンツをちゃんと見たからこそ出来ることで。そういう時間を共有できる遊びとして、やっぱTRPGって凄いし面白いなぁと、つくづく思えるセッションでした。最高だったなぁ……良いセッションでした、同卓していただいた方、ありがとうございました。